介護業界は本当に人手不足?介護士が実情を語ります

介護業界の「人手不足問題」について、現役の介護士が思った事を書いてみました。

介護業界で働く人や、これから転職予定の方はぜひご参照ください!

介護の業界が人手不足なのかそうなのか?

…結論から言うと「人手不足の現場もあれば、そうではないところもある」となります。

それぞれの現場について考えてみましょう。

人手不足の職場とは

深刻な人手不足のところは、以下のいずれかのパターンに当てはまります。

  1. もともと若者がほとんどいない田舎
  2. 経営者が福利厚生やスタッフの給与改善などをしていないのでいつまでも人が入ってこない
  3. 離職が多い職場は口コミで広がるのでさらに人がこない

そして、この人手不足に加えて

  • 経営者に人脈がない
  • 仕事は気合だけで乗り切れると思いこんでいる(工夫したり考えたりしていない)
  • 介護保険に熟知していない・・

このような運営側の問題が重なると、たちまち経営的に厳しくなります。

倒産するわけにはいかないので、職員の給料(手当など)が減ったり、仕事が増えたりしますが、それがさらに労働環境を悪化させる悪循環となります。

人手不足じゃない職場もある

では・・・人手不足じゃない介護の現場ってあるの?

というと、実はあるんです。

人手不足ではない現場はまず「しっかり稼いでいるところ」です。

私の勤めていた法人の話。

  1.  介護老人保健施設(老健)
  2. 特別養護老人ホーム(特養)
  3. グループホーム
  4. 療養病棟付きの病院

このように分かれた比較的大きな施設で、私は老健とグループホーム、特養での2か月のヘルプ異動で働きました。

中でも「グループホーム」は人手が足りていました。

  • 1名の利用者さまにスタッフ1名
  • 夜間も8名の利用者さまに対して、スタッフ1名
  • 何かあれば同法人内の訪問看護ステーションに電話して看護師にきてもらえる
  • ご飯も法人全体の厨房から出来立てのものが運ばれてくる(「今日はこれが食べたい」と希望があったときだけ個人対応)

このような感じで、あとは認知症の対応や軽いリハビリテーションや一緒にやるだけで本当に「ラクだ」と思いました。

利用料金が高く、病院も入った施設だった事もあり、かなり稼いでいたのでしょう。

スタッフもこれだけ人手が足りている状態だと精神的に余裕が持てるので、積極的にご利用者様と触れ合うことができ、サービスの質を向上することもできていました。

人員が足りていても大変なケース

これまでの経験で一番大変だったのは介護老人保健施設(老健)でした。

この施設は人員が足りていましたが、決して楽では無かったので、一応対照的な例としてご紹介します。

老健は基本的に「在宅復帰」をさせるためのリハビリをする施設。

排泄介助はオムツ着用中でもリハビリのために、できる限り立位をさせて介助。

  • その他のリハビリ
  • ケアプランがっちり
  • 激しい認知症やせん妄
  • 個人対応が必須
  • 特養に入れない人の終末期の管理

などなど本当にてんてこ舞いの日々でした。

ケア棟35名の認知症・その他の病気をかかえる患者様に対して日勤は8名のスタッフで対応。

結構人が多いじゃん、と思う方もいらっしゃると思いますが、この老健は離職率が激しかったので、新しい人を入れても入れても辞めていく職場だったのです・・・。

さすがに新人には夜勤はさせられないし、日勤帯に従事してもらっても「教える先輩もまた入りたて」という負のループが発生。

  1. つまり、人員は足りていても全員新人・・という状態で非常に効率が悪い
  2. カルテ記載や書類作成はすべて残業になる
  3. 毎日3時間以上の残業
  4. 身体がキツイ。疲れるので雑になるケア
  5. 増えるクレーム。落ちるモチベーションと自己嫌悪
  6. 離職が増える・・・

というわけです。

人員が少ないわけではなく「クオリティが低い」「効率化」できないことが問題だったのです。

そんな環境なので、すごくできるスタッフが一人入っただけで驚くほど仕事が効率化されラクになったこともありました。

さいごに

介護の現場ってどうしても「キツイ、しんどい」のイメージが先行しますよね。

でも・・

前述した通り、本当のことをいうと、介護をするスタッフのクオリティや先輩のパワーでまったく違ってきます。

クオリティを上げるってどうするの?

というと、私の勤めていた老健では施設内での研修を受けるだけでクオリティ向上できるケースが多くありました。

視野を狭くしたメガネをつけて、身体に10キロの重りをつけて、トイレはスタッフに声かけないと行かせてもらえない車いすに半日以上座っておく・・

という「老齢体験」をさせる取り組みをしてから、ぐっと介助のクオリティが上がりました。

それは「介助状態になる」ことをまず職員が体験したからです。

同時に、研修を通してスタッフ間の交流が増えたので、仲良くなり離職が減りました。

お金がない、人手が足りない→クオリティを高めよう

介護業界において若手不足もお金がないことも、社会的な問題でもあるので仕方がないこと。

今できるのは、現場で働く介護士が連携して積極的なコミュニケーションを取ること。

そして、離職率を減らすこと。

これらが大切になっていくのかなと思います。

 

以上、「介護業界は本当に人手不足?介護士が実情を語ります」でした!

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