国家資格「介護福祉士」の試験免除について徹底解説!【2020年版】

介護福祉士の試験の形は今後どうなるのか?

介護業界において現場で活かせる資格としてはピラミッドの頂点にある「介護福祉士」。

現場で介護に従事するための「国家資格」です。

国家資格なので、もちろん国家試験に合格する必要があります。

通常であれば3年の実務経験を経て、実務者研修を修了して、ようやく国家試験の受験資格の条件を満たすことができます。

しかし、専門学校や福祉系の高校など養成校で介護福祉士の勉強をした場合に限り、国家試験が免除されるって知ってましたか?

以下より、さらに詳しく書いていきたいと思います。

介護福祉士の試験免除が延長した背景

介護福祉士取得のためのルートには大きくわけて2つあります。

  1. 養成校で学ぶ
  2. 3年間の実務経験を積んで国家試験を受験する

実務経験を積む場合と違って、福祉系の高校や専門学校などの養成校で学べば国試免除となります。

しかしながら、ルートの違いで試験の有無があるのはおかしいとの声が多くありました。

そこで国は、介護福祉士の取得のためには国家試験合格を義務化する法律を2007年に定めました。

その介護福祉士の受験義務化が「またしても」5年間先送りになりました。

なんと4回目の延期です。

2022年義務化が2027年に延期されました。

その延期の理由は3つ。

1.介護現場における人手不足への配慮

介護業界での2019年の求人倍率は3.8倍。

求人倍率3.8倍とは、仕事を探している人一名に対して企業が3.8社あるということです。

しかも、ヘルパー(介護職員)の求人倍率になると、なんと14倍!
一名の求職者に対して事業所が14社誘いに来るということになります。

こんな人手不足の状況下では、介護福祉士の資格取得のハードルを上げることはできなかったという背景があります。

2.養成校への配慮

養成校の定員充足率は50%を下回っています。

学校がガラ空きの状態が続いています。

養成校に通うメリットとは、国試を受けなくても介護福祉士の資格が取得できることです。

介護福祉士の国試を義務化してしまったら、養成校に通うメリットがなくなってしまいます。

つまり、養成校に通う人が激減することになりますよね。

そうなると、ただでさえガラ空きの学校は軒並み経営難に追い込まれます。

養成校の定員充足率は50%と書きましたが、そのうち30%は外国人留学生と言われています。

日本人で介護福祉士を目指して学ぼうという人は、ほとんど居ないということになります。

こういった状況では、介護福祉士の国試義務化は延長をせざるを得なかったというわけです。

3.外国人留学生の問題

前項でもあったように、今や介護の現場において外国人は貴重な戦力となっています。

しかし、日本語があまり得意ではない外国人にとって、日本語で出題される国試に合格するというのはかなり難しいことです。

外国人留学生にとって介護福祉士の取得は、在留資格が得られるのでメリットも多いのですが、国試が義務化してしまうと資格が取れなくなるので、多くの外国人が介護福祉士を諦めて帰国することにもなりかねません。

2025年問題も目前に控えているというのに、貴重な戦力が激減してしまっては困る!ということで国試義務化は5年間見送られました。

介護福祉士の国家試験義務化先送りは正解?
不正解?

ここまでご紹介したような背景があって、今回も介護福祉士の国試義務化は見送られたわけですが、この決断は正しいのでしょうか?

結論から言えば、「現状では正解」だと言えます。

なぜなら、国試を義務化して介護福祉士のレベルが上がるかはまた別問題で、介護福祉士の間口を狭くしてしまうことは、ただでさえ不足している人材確保ができない上に要介護者が増加してくることを考えると、介護の現場がパンクすることに直結します。

まずは介護職の待遇改善と負担軽減を図り、ある程度の人材を確保することが最優先です。

国試義務化は、その後でも遅くはありません。

早期の介護現場における人手不足解消を切に願います。

 

他の資格についてはこちらにまとめています↓

介護の主な資格

介護業界の仕事は多岐に渡り、幅広い専門的な知識が求められます。

そのため、資格の種類も多く複雑なため、以下に表としてまとめてみました。

資格名簡単な説明
介護職員初任者研修介護の資格では「入門」とされ、まずは取得を目指したい基本の資格です。
介護福祉士実務者研修介護職員初任者研修資格からステップアップで取得される場合が多いです。
介護施設で働きながら介護福祉士を目指すためには、実務者研修の修了が必須
ケアマネジャー(介護支援専門員)昨今取得難易度が上がっている介護業界の代表的な資格の一つ。長期の実務経験が必要な専門性の高い資格です。
介護福祉士(国家資格)介護の国家資格です。
介護福祉士実務経験or福祉系高校 or 養成施設、いずれかを軸に取得を目指す国家資格です。
働きながら取得するのが難しい資格ですが、これがないとできない業務も多いため、可能であれば取得しましょう。
レクリエーション資格レクリエーションにも資格が存在します。保有すれば、レクリエーションのリーダーになりやすいなどメリットがあるでしょう。
サービス提供責任者サービス提供責任者として必要な知識を保有していることを証明する資格です。長期にわたり介護業界で働くのであれば視野に入れておきたいですね。
看護師資格介護とは無縁に思えますが、看護師から介護士に再就職、転職するケースもあるようで、たまに介護士でありながら看護師資格を保有しているケースがあります。
病院で従事する介護士であれば、一目置かれる存在になれるでしょう。

ヘルパーは特定の資格がなくても就職できますが、利用者宅で身体介護を行う訪問介護員になるには「介護職員初任者研修」「実務者研修」の認定が必要です。

いずれにしても、新たに資格を取得するのはハードルが高いものです。

キャリア・収入アップを目指すのであれば介護の資格取得をサポートしてくれる再就職、転職エージェントもあるので、活用してみてください。