ケアマネージャーは独立で年収を増やすことができるか?

ケアマネージャー(介護支援専門員)の収入(年収)は、同産業の人たちと比べて低いと言われています。
その一方で、女性の職業の収入平均からすると、決して悪くは無いとも言われるので実際の所が気になりますよね。
そういう事情もあって独立開業を目指すケアマネも多いと思いますが、それは現実的に可能なのでしょうか?
実情や年収計算の方法など書いていきたいと思います。
もくじ
ケアマネージャーの独立が増えている
ケアマネージャーは企業運営の施設に所属している人が多いですが、最近はケア面として独立開業起業していきたいという人も増えてきています。
施設で何らかの悩み(収入・人間関係など)を抱えている人ほど、その思いは強いでしょう。
以下より独立することのメリット・デメリットを見ていきましょう。
独立するメリット
勤務日程・時間を選べる
勤務の自由度が高いということが言えると思います。
利用者様との約束や日程調整などの都合もあるので、自由に休める!というわけではないですが、そこをの調整されつけば、いつ休みを取っても大丈夫です。
ただし 自営業として 運営していく必要はあるので、休みの日であっても気が休まることはなかなかありませんが..。
通勤時間なし
通勤時間が無い、というメリットもあります。
ケアマネージャーとして独立する場合は自宅を事務所にする場合が多いので自宅=事務所という形ですることが多いので、すなわち通勤時間は発生しないということになります。
上司の圧力が無い
組織に拘束されないということも大きなメリットだと思います。
どうしても組織についてしまうと、「囲い込み」という形で「系列のデイサービスにお客さんを連れて来い」とか「併設のヘルパーを使いなさい」とか、そういった形で上司から命令をされる場合がありますよね。
ケアマネージャーとしては一番良い事業所やサービスを提供したいのに、自分自身は企業に所属する身分なので 上の命令に逆らえないという現実があり、このジレンマに悩んでいる人もおおいはず。
そんな中、独立することで自分の考えでケアマネージメントができるということは大きなメリットだと思います。
独立することのデメリット
一方でデメリットも存在します。
知名度問題
最初は知名度が低いということです。
独立して独立開業した時に、自分の無力さを痛感する人は多いです。
今まではいろんなところから相談をもらっていたのに、それはあくまでも会社組織の名前で相談を頂いていたと分かるのです。
病院とか包括支援センターから新規の相談があった場合でも組織の名前で相談を受けていたのです。
個人名で活動している場合、名刺を渡しても全く相手にされないというケースもあります。
最初は広く知られるまで、病院とか包括支援センターとか地域住民の方とじっくりと時間をかけて信頼関係を築いていく必要があります。
大変なことです。
病気・怪我リスク
二つ目は病気になったらどうするかということです。
独立している場合は自分しかケアマネージャーがいないので、例えば病気とか怪我で長期離脱することになった場合が問題です。
例えば自分が抱えている30名の利用者さんをどうするのか。
独立開業するということはすなわち自営業として企業活動を行っていくということなので、仮に自分が癒しの旅行中であっても利用者様からの電話対応を受ける必要があるなど 、助けてくれる人がいないというような状況は発生します。
相談相手がいない
教えてもらえる人がいない、というのも問題です。
自分で開業した時はいろんな難しい問題が出てくるので、これはなかなか大変なことです。
他にも、新しくデイサービス事務所が開業したなどの最新の情報などは全て自分で収集していく必要があります。
※ケアマネージャーの教育会などの組織に所属することでなんとか横の繋がりを保つことは可能です。
実務も事務も全て自分で
請求業務、事務仕事 を全て自分一人で賄わなければいけないというのが独立開業したケアマネージャーの使命です。
どちらかが極端に苦手、という人は独立に向いていないでしょう。
独立することで年収は改善するか?
次に報酬面について考えてみましょう。
利用者が要介護1、2であれば、だいたい平均して1ヶ月の報酬は1万円です。
最初は知名度が低いので、現実的に受け持てる件数が20件、一件11,000とすれば月収22万となります。
ケアマネージャーには国に定められた受け持ち件数の上限がありますので(35件)、 11,000円×35=385,000円となります。
※とはいえ月収35万円がMAXではなく、 後は 細かい収入もあります。介護保険の認定調査などです。
というと、月385,000円もらえると言えば 「なかなかいいな」と思うかもしれませんが、これは収入です。
経営 を維持していく為には
- パソコンなどの備品購入
- ダイヤガソリン代
- その他システムの利用料
- リース代
- コピー代
なども発生するので、収入の80%くらいが粗利となります。
そうなると385,000円の80%は300,000円ということになるので年収に直すと360万円ということになります。
これだけ稼げれば「食っていく」ことは十分可能だと思いますが、決して余裕はありません。
ケアマネ独立は修羅の道
というわけで、ケアマネージャーとして独立する事には数多くのメリットがありますが、それ以上にデメリットが多いことが分かります。
収入的には、しっかり35件の案件が取れればサラリーマンケアマネより稼げるかもしれませんが、それでも厳しいのが実情です。
今の介護制度、経済情勢を考えると、ケアマネで給料、年収を増やしたいと考えているのであれば、独立よりも、まずは転職を検討した方が賢明だと思います。
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